チームの運営がスムーズにいかないと感じている管理職の方は多いのではないでしょうか。
特に、「1on1ミーティングを定期的に行っているのに、なぜかチームがうまくまとまらない」と感じることがあるかもしれません。
今回は、チーム運営における課題の原因とその解決策について考えていきます。
1on1ミーティングの限界
1on1のミーティングは、業務上の報告や進捗確認など、上司と部下のコミュニケーションの場として重要です。
しかし、1on1はどうしても業務モードになりがちで、深い信頼関係を築くには不十分な場合もあります。
仕事の内容に集中してしまい、感情面や信頼感の構築が疎かになることがあります。
信頼関係が築けていると、チーム運営は格段にスムーズになります。
しかし、「1on1のミーティングをしているのに、なぜかチームがバラバラしている」と感じる場合、
それは信頼関係の構築が不完全である可能性があります。
初対面で重要なのは「嫌じゃない」と思われること
人間関係がうまくいくかどうかの最初のポイントは、「好き」ではなく、「嫌じゃない」という感覚です。
これは、恋愛や友人関係でも同様です。相手が嫌だと感じないコミュニケーションを続けることで、
やがて信頼関係が生まれ、「好き」や「信頼」が育まれます。職場のチームでも同じです。
新しい部下がチームに加わったとき、すぐに深い信頼を築こうと焦る必要はありません。
むしろ、最初にすべきことは「嫌なことをしない」ことです。
まずは「嫌なこと」を知る
私たちは、良好な関係を築こうとすると、相手が喜ぶことに意識を向けがちです。
しかし、意外にも重要なのは相手が嫌がることをしないことです。
最初の段階で、「この人はどんなことを嫌がるのか?」を理解しておくことが、
長い目で見たときに信頼関係を築くための土台となります。
たとえば、部下がプライベートな質問を嫌う場合、
過度に個人的な話題を避けるだけでも、相手は安心感を持ちます。
また、普段の業務の進め方やコミュニケーションのスタイルにおいても、
「これだけは避けてほしい」という要望を最初に確認しておけば、後々の誤解や摩擦を防ぐことができます。
信頼関係の構築には配慮が必要
チーム内での信頼関係を築くためには、お互いのニーズを尊重することが欠かせません。
上司が部下に対して、「何が嫌なのか?」を尋ねることは、相手にとって安心感をもたらします。
これは、単に相手のニーズを聞くだけでなく、
相手に対して「あなたのことを大切に思っている」というメッセージを伝えることにもなります。
たとえば、部下が「グイグイ来るのが苦手」と感じているなら、
メールなどの穏やかなコミュニケーション手段を選ぶといった工夫が必要です。
こうした配慮がある職場環境は、誰もが大切にしたくなる場となり、チーム全体の結束力が高まります。
「されて嫌なこと」の共有がチームを強化する
一人ひとりが「何が嫌か」をチームで共有することは、単に人間関係のトラブルを避けるためだけでなく、
チーム全体の心理的安全性を高める効果があります。
人間は、ポジティブなことよりも不快なことに敏感な生き物です。
誰かが「良かれと思って」やったことが、別のメンバーには不快に感じられることもあります。
こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、「嫌なこと」を事前に共有することが重要です。
まとめ
チーム運営において、信頼関係を築くための基本は相手を理解し、嫌なことを避けることです。
1on1のコミュニケーションをより深め、チーム全体で「されて嫌なこと」を共有することで、
職場の雰囲気が格段に改善されるでしょう。
特に新しいメンバーが加わった際には、最初に「嫌なこと」を聞いてあげることで、
心理的な安心感が生まれ、その後の仕事がスムーズに進むようになります。
チームメンバー全員がストレスを減らし、最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を作るために、
相手の嫌なことを理解し、共有することをぜひ実践してみてください。
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